校長メッセージ

2020年3月の記事一覧

第49回卒業証書授与式 式辞

                                     式  辞

  只今、卒業証書を授与された229名の卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。入学以来3年間の努力が実を結び、めでたく卒業するみなさんに心からお祝い申し上げます。本来なら、ご家族の皆さん、在校生、そして来賓など多くの方々と共に、みなさんの門出をお祝いすべきところですが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために、今回は卒業生のみなさんと教職員だけの卒業式となりました。みなさんにとっては、これまで支えてくれたご家族の方々や、共に所商生活を過ごした後輩たちに、この晴れ姿を見てもらえないことは、大変残念なことだと思います。しかし、こうして教職員だけではありますが、皆さんの卒業をお祝いすることができて幸いであると感じています。

 みなさんにとって大きな節目であり旅たちの日である卒業式に、はなむけの言葉として、私から一つだけお話したいことがあります。それは、「しなやかに生きる。」ということです。今回の新型コロナウイルスの感染拡大は、この卒業式だけではなく、我々の生活や社会に大きな影響を与えています。新しい年度に向けた様々な説明会や研修会、入学式や入社式の中止。楽しみにしていたイベントの中止や延期、また業種によっては仕事がなくなり収入が大きく減ってしまっている人もいると思います。「コロナウイルスのバカヤロー」と叫びたくなるかもしれません。しかし、いくら叫んでみても状況はなんら変わりません。目の前にある現実をしっかり受け止め、しなやかに、そして粛々と前に進んでいくしかないのです。その点でみなさんは、もうすでにその能力を見事に発揮してくれました。おととしの修学旅行。初日の台湾行きの飛行機が整備不良で飛ばず、急遽、千葉県の白子に一泊しました。旅館が決まるのにも時間がかかり、到着したのはかなり遅い時間で、寒くておなかもすいていました。旅館が用意してくれたおにぎりの味は今でも忘れないと思います。次の日の朝は空港に向け5時に出発と、かなりハードなスケジュールでした。それでもみなんさんは、文句一つも言わず、我々教職員の指示に粛々と従ってくれました。実にしなやかに対応してくれました。本当にみなさんの態度・行動は立派でした。台湾での最後の夕食の時、私はどうしてもみなさんにお礼が言いたくてマイクを持ちました。あの時は感謝の気持ちと感動で胸が熱くなったことを覚えています。

 これからの長い人生で、全く予期しなかった不都合な出来事が何度も起こることでしょう。自分の責任ではない不可抗力が、みなさんの行く手を阻むかもしれません。そんな時、怒ったり諦めたり後ずさりするのではなく、冷静にしなやかに粛々と前に進んでいってほしいと思います。みなさんには、その資質と能力があるのです。自信をもって前に進んでほしいと思います。

 結びに、本日出席が叶わなかったみなさんの最大の理解者、これまで見守ってくれたご家族への感謝の気持ちを、自宅に帰ったら是非、言葉にしてほしいと思います。そしてここにいる229名の卒業生のみなさんの輝かしい前途を祝し、今後の限りないご活躍を心から祈念し、式辞といたします。

 

                                                               令和2年3月13日

                                                               埼玉県立所沢商業高等学校長

                                                                     鈴 木 啓 修