校長メッセージ

第2学期終業式校長講話

                      「らしさ」について

みなさん、おはようございます。

 長かった2学期も今日で終わりです。8月25日から今日までの84日間、行事も一切なくひたすら授業ばかりの日々でした。また、毎日マスクを着けて生活し、休み時間も友達と大きな声で話すことができないなど、我慢をすることが多かったと思います。そして、このあと顧問の先生からお話があるかと思いますが、3学期も部活動の制限があります。まだまだ我慢しなければならない日々が続きます。是非みんなで気持ちを一つにして乗り越えていきたいと思います。

 しかし、そうしたいろいろと我慢を強いられる環境の中でも、皆さんは精一杯毎日の学校生活に取組んだと思います。火曜日に行われた体育館の発表会は素晴らしものでした。それぞれのエネルギー溢れる発表に本当に元気をもらいました。「やっぱり高校生は元気だな。」と安心しました。

 さて、今日は「らしさ」についてお話をします。皆さんもテレビなどで知っていると思いますが、長い長い選挙戦の末、ようやくアメリカの新しい大統領が決まりました。現職のトランプ大統領は敗れ、民主党のバイデンさんが来年の1月20日に新しいアメリカ大統領として就任します。この4年間トランプさんは、様々な混乱と分断をアメリカのみならず世界中に引き起こしました。人種差別問題で分断をあおり、移民に対して厳しくあたり、環境問題をないがしろにし、新型コロナ対策も真剣に取組みませんでした。またアメリカ第一主義を掲げ、中国をはじめイラン、EU、NATO、WHOなど様々な国や国際機関とケンカをしてきました。

 そうした4年間を見てきたアメリカ国民は、今回は新型コロナ対策に科学的に取組み、人種の多様性と融和を訴え、「国際協調主義」を掲げ、世界の国々と協力して行こうとするバイデンさんを新しい大統領に選びました。日本をはじめとして世界中の国々は、ちょっとほっとし、期待を持ってこれからのアメリカを見つめているところです。

 しかし今回の大統領選挙においては、こういった政策的な問題の他に、普通のアメリカ人がとても憂慮していたことがありました。それは「大統領らしさ」ということです。英語では、「presidential」といいますが、トランプ大統領はあまりにも「presidential」でない、大統領らしくないという問題です。そもそも王室のないアメリカは、大統領に品位や尊厳、思いやりなど、一国のリーダーとしてふさわしい人間性や資質を求めます。さらにアメリカは世界一の大国、世界のリーダーであるわけですから、それに相応しい振る舞いや言動を求められるわけです。しかし攻撃されればその倍返しで攻撃する。それも口汚い言葉で相手を罵倒する。そして人々を、社会を分断していく。選挙に負けてもそれを一切認めない。そんな人物がホワイトハウスにいることは、多くの普通のアメリカ人にとって耐えられないことです。私の知り合いのアメリカ人の多くは、「national embarrassment・国家の恥」だと言って嘆いていました。良識あるアメリカ人にとっては、このような世界のリーダーらしからぬ人物が自分たちの国の代表であることに本当に恥ずかしく思っていたのです。

 なぜこの話をしているかというと、私は、人は自分の地位や立場に相応しい言動、振る舞いをすることが大切だと思っているからです。政治家、会社の社長、警察官、お医者さん、学校の先生、それぞれの立場に相応しい「らしさ」が必要だと思います。私も若い頃は「らしくない」って「カッコいい」などと思ったこともありましたが、大人になり歳を重ねていくうちに、やはり「らしさ」は大切だと思うようになりました。我々にあてはめれば、先生は先生らしく、生徒諸君は高校生らしく振舞うことです。

 では、「高校生らしさ」とはどんなことでしょう。ここに一つのヒントがあります。先日私は所商のように就職する生徒が比較的多い高校の校長が集まる研修会に参加しました。その研修会では高校生を採用している、ある中小企業の社長さんの講演がありました。その社長さんは埼玉県の中小企業の経営者が集まる「埼玉中小企業家同友会」という組織に入っておられて、今回の講演のために、その組織に加盟する中小企業を対象にアンケートを実施しました。そのアンケートの中で「おたくの会社はなぜ高校生を採用するのか」という質問がありました。そして回答した会社のほとんどは「高校生は真面目に働いてくれるから」「素直に仕事の向き合ってくれるから」という答えでした。また「真っ白な状態なので育成しがいがある」という答えも多くあったそうです。私はこの話を聞いて「やっぱりな」と思いました。やはり企業が高校生に求める資質は「真面目さと素直さ」なんだなと改めて納得しました。

 「真面目さと素直さ」。これは「高校生らしさ」と一つの資質だと思います。勿論それだけではないと思いますが、とても大切なことなので心に留めておいてください。

私は元気にあいさつのできる「所商生」はとても「高校生らしい」と思っています。誇りに思っています。是非、これからも元気にあいさつをし、何事にも真面目に素直に取組む所商生であってほしいと願っています。

 最後に、今日はクリスマスイブです。クリスマスは隣にいる人を愛する日です。隣にいる人、家族、友人に優しい気持ちで接してほしいと思います。特に今年は皆さんのような若い人たちの慎重な行動が、周りの人の命を守ることに繋がることを意識して、家族と共に静かな冬休みを過ごしてください。