校長メッセージ

10月朝礼校長講話

異なるものへのリスペクト
 
 早いもので10月になりました。こらからいよいよ秋が深まってきます。秋と言えば、「実りの秋」という言葉があります。これまで、精魂を込めて育ててきた作物が実を結び収穫の時期を迎えるという意味です。

 これは君たちの所商生活でも言えることです。春から勉強、部活、学校行事と様々な場面で努力してきたことがいよいよ実を結ぶ、目標にしてきたことの結果が出る季節です。特に3年生諸君にとっては、3年間、コツコツと努力してきたことが実を結ぶ時です。それぞれにとって実り多き2学期になるよう努力してください。

 さて、いよいよラグビーワールドカップが始まりました。日本は初戦、ロシアに勝ち、優勝候補のアイルランドにも見事に勝利し、日本中がにわかに盛り上がっています。11月2日までの大会中、日本全国の12の開催都市で試合が行われ、これまでになかったラグビーに対する注目と盛り上がりを目の当たりにしています。また、この大会を観戦するため40万から50万人の人々が海外からやってきます。所沢市の人口が34万人ですから所沢市の人口より多い人々が日本にやってきます。とてもワクワクする1か月ですね。

 ところでみなさん、今回の日本代表には何人の外国出身の選手がいるか知っていますか。31人中15人です。なんと約半分が外国人選手です。日本代表チームの半分が外国人ということに違和感を持つ人は世の中にはいるようです。ネット上を見ると結構、批判的な意見も見られます。たしかに他のスポーツではあまりないですよね。調べてみたのですが、サッカー、野球(WBC)、バスケットボールなどの日本で人気のあるスポーツのほとんどの日本代表選手の条件には日本国籍を持っていることとありました。

 しかしラグビーの代表選手の条件は大変ゆるく国籍は要件ではありません。日本に継続して3年以上住んでいれば日本代表選手になれます。これはラグビー独特のルールで、その理由はラグビーの普及の歴史にあります。ラグビー発祥の国であるイギリスが世界中に植民地を持っていましたが、イギリスは植民地や元植民地中心にラグビーを広めていきました。そしてイギリス人はどこの国に行ってもその国の代表になれるようルールを決めたことがこの独特なルールの由来です。ですから日本だけでなく今回のワールドカップに参加している国のチームのほとんどが10人程度の外国出身選手を抱えています。ラグビーでは普通のことなのです。キャプテンのリーチ・マイケルもトンプソン・ルークも自分を育ててくれた日本のため、桜のジャージのために長年にわたり、体を張ってくれています。

 私はこのラグビーの文化が好きです。また、これからの日本の社会に根付いてほしい文化だと思っています。そしてこれからの日本の社会の在り方を示しているように感じます。前にもお話しましたが、これからの日本の社会は、日本人だけでは成り立たなくなります。我々が直面している深刻な人手不足が解消されなければ、これまでのような豊かな社会を持続することはできません。外国人の手を借りないと乗り越えられないのが現実です。日本に働きに来る外国人は、勿論、自分のため、祖国の家族のために働きに来るのでしょうけど、我々からすれば彼らは日本の社会を持続させるために働いてくれているのです。

 外国人との共生は、お互いの文化、習慣を理解し尊重することから始まります。今回のワールドカップで多くの外国のチームが試合後に観客にお辞儀をする姿が話題になっています。オールブラックスが始めたようですが、彼らは日本の観客の声援とおもてなしへの感謝を日本のお辞儀という形で敬意とともに伝えたいと言っていました。また日本では、まだ受け入れられない、タトゥーについても外国の選手は試合以外の場所ではなるべく隠すようにしているそうです。サモアの主将ジャック・ラム選手がこんなことを言っています。「タトゥーは僕たちの文化に根付いている。しかし日本は違う。僕たちは日本にいる。日本の文化に敬意を払わなければいけない」

 日本に来る外国人は日本の文化・風習を理解し尊重する。日本人は外国の文化・風習・宗教などを理解し配慮して受け入れる。これこそがこれからの日本が目指す多文化共生社会に必要な文化ではないかと思います。

それでは、皆さん、それぞれにとって実り多き2学期になることを祈っています。