校長メッセージ

校長先生の部屋へようこそ!

2学期終業式講話

 皆さん、おはようございます。2学期も最終日となりました。皆さんにとってどんな2学期だったでしょうか。振り返るとこの2学期は、分散登校から始まりました。9月は午前午後に分かれての登校でした。10月になりようやく緊急事態宣言が解除され、いつもどおり登校できるようになりました。体育祭と文化祭が延期になっていましたが、体育祭は10月下旬に、文化祭は11月上旬に行うことができました。2年生の修学旅行も延期になっていましたが、12月15日、16日に1泊でしたが行うことができました。今年度は学校行事などが、制限された形でしたがやっと行うことができました。以前にもお話ししたことがありますが、この2年間は、当たり前のことができなくなるようなわれわれの生活にとって大変な変化が起こりました。この先もまだどうなるのか、誰も見通せていない状況だと思いますので、今後の社会の変化にも柔軟に対応できるようにしてほしいと思います。新たな変異株ウイルスが日本にも入ってきて広がりを見せています。21日の夕方には県内でも変異株の感染者が出たようです。マスクの着用や換気、昼食時の会話など注意すべきことは変わっていませんので、引き続き感染症防止対策をお願いします。

 話は変わりますが、2学期には所商生の活躍もありました。10月下旬に全商英語スピーチコンテストが行われました。出場生徒は皆がんばっていましたが、その中のひとり、1年生の廣瀬羅碧(ひろせらお)君が1位になり、全国大会に出場となりました。素晴らしい活躍です。1月9日の全国大会もぜひがんばってほしいと思います。

 さて、今日は、ルールやマナーについてお話ししたいと思います。なぜ、ルールやマナーがあるのでしょうか。皆さんには、ぜひとも考えてもらいたいと思います。これまでも全校集会などでお話があったと思いますが、例えば地域の方から電話をいただいたりします。全員の生徒ではないですが、自転車の乗り方、駅やコンビニの利用の仕方についてなどについてお電話をいただくことが多いようです。具体的には、所商生が自転車で横に広がって通っているので車が通りにくくて迷惑だ、生徒がスマホを見ながら自転車に乗っているのでぶつかりそうになった、駅前で大声で騒いでいる所商生がいるというような内容です。これはどういう行為でしょうか。言わなくても分かりますね。迷惑行為や危険な行為です。ルールやマナーを守っていれば、このような迷惑行為や危険な行為ということにはならいないはずです。皆さんだって、嫌なことはされたくないし、危険な目には合いたくないと思います。ですから、自分が嫌なことは他の人にもしない、これは当たり前のことです。それから、ルールやマナーは学校生活の中にもあります。登校時間、他の生徒や先生方へのあいさつ、教室やロッカーへの荷物の置き方、携帯電話の使い方、授業の受け方、昼食の食べ方などいろいろなルールやマナーがあります。

 前回の朝礼のときに、他の人を思いやることについてお話ししたと思いますが、ルールやマナーを守ることは他の人を思いやる、相手のことを考えるということにつながっています。そして、ルールやマナーを守ることは、自分もルールやマナーから守ってもらえることにもなります。つまり、お互いが気持ちよく過ごしていくためにルールやマナーがあるわけです。もう皆さんは高校生ですので、そんなことは言われなくても分かっているという人がほとんどだと思いますが、改めて考えてもらいたいと思います。そして、日頃の自分の行動を今一度振り返ってみてください。できている人は、そのまま続けてもらえれば構いませんし、できていないところがある人はぜひとも直してください。社会に出れば、ルールを守らないと罪になってしまうこともあります。罪になれば刑事的な責任を負わなければなりません。そうなってしまうと人生が台無しになってしまうかもしれません。そうならないためにもルールやマナーを守ることをきちんと意識して、他の人のことを考えて生活をしていってほしいと思います。

 1600年代のイギリスの哲学者「ジョン・ロック」という人は「人が何を考えているかを最も分かる良い方法は、彼らの行動を見ることだ」と言っています。つまり、その人が、どう行動しているかでその人の考えやその人がどういう人かということが分かってしまうということです。私自身も、この言葉を読んで改めて自分の行動には気を付けなければいけないと思いましたが、皆さんにも普段の行動には人となりが表れていることを意識してほしいと思います。皆さんの行動が、所商がどういう学校なのかを表しているのです。

 明日からは冬休みとなります。冬休み中には、クリスマスや年末年始がありますので気持ちが緩みがちになります。こんなときこそ注意を払って、羽目を外さないよう気を付けて生活してください。1月11日の始業式には、皆さんが元気な姿で登校してくれるよう期待しています。

10月27日(水)朝礼講話

 皆さん、おはようございます。通常の登校になってから概ねひと月が経とうとしています。ここのところ感染者はだいぶ減りましたが、まだまだ感染症防止対策は続けていく必要があります。明日の体育祭や来週の文化祭も限定された状況ですが、何とかできそうですので、引き続き食事や会話などには気を付けて学校生活を送ってください。ここで感染が広がって今後の行事ができなくなることがないよう協力をお願いします。

 さて、今日は、埼玉県の偉人と言われる「渋沢栄一」について話をします。渋沢栄一を知っている人はどれくらいいるでしょうか。2024年4月から1万円札の肖像画になる人です。現在、NHKで渋沢栄一のドラマが放送されていて、埼玉県では渋沢栄一出身の深谷市を中心に盛り上がっているようです。書店に行っても、渋沢栄一に関する様々な本が並んでいます。私は、この4月に本校に着任することが決まってから、商業高校に関係がある人物ということで、渋沢栄一に関する本を2冊ほど読みました。一番有名な「論語と算盤」については現代語訳されたものを読んでみました。それから、別の人がまとめ直したものですが「至誠と努力」という渋沢栄一の講話をまとめたものも読んでみました。2冊とも現在にも通じる考え方がいくつもあるので、どこかで一度読んでみてもいいかもしれません。参考になることがあると思います。「至誠と努力」については、高校生にとっても読みやすい本になっています。本校の図書館にもありますので、参考にしてもらえればと思います。

 その渋沢栄一ですが、彼は、江戸時代の終わりの幕末から昭和の初めころまでの変化の激しい社会を生きた人です。一般的には、それほど有名な人ではなかったかもしれませんが、近代日本の設計者と言われる人なので、日本にとっては非常に重要な人物です。商業高校に通う皆さんにとっては、切っても切れないくらい関係の深い人かもしれません。というのは、今の名前で言うと、みずほ銀行、王子製紙、東京海上火災日動、東京電力、JRなど皆さんが知っている、あるいは聞いたことがある会社の設立に関わっているからです。これらの会社は、皆さんの日常生活にもいろいろと関わりがあると思います。すべて合わせると約480もの会社の設立に関わったそうです。ということで、渋沢栄一は、日本資本主義の父、実業界の父とも言われており、商業高校と関係が深いことも理解できるのではないでしょうか。

 渋沢栄一が偉人と言われるのは、実業界に貢献しただけではないことだと思います。彼は、実業家として活躍するかたわら、600あまりの社会公共事業や福祉・教育の支援などにもかかわったそうです。そして、実業家としての成功は社会のおかげ、その成功者は恩返しとしてその利益の一部を社会に戻すべきだと考えていて、個人で富を独占することを否定し、得た利益を社会に還元しました。

 渋沢栄一が幼いころの話があります。彼が幼いころ、近くに一人で住んでいて、長い間重い病気にかかっている女性がいたそうです。この人を栄一の母親が毎日面倒を看ていたそうです。ほかの人たちは、病気がうつると言って近寄らなかったそうですが、栄一の母親は、ほかの人から嫌味を言われても気にしなかったそうです。このような母親の姿を見て育った栄一は、日本経済の発展だけでなく、社会福祉にも力を尽くし、生活に困窮している人や身寄りのない子供や老人を養うような施設をつくり、その代表となるなど、様々な慈善事業に貢献したということです。

 これほど大きなことはなかなかすぐに真似できるようなことではありませんが、われわれの身近なところを考えてみましょう。私は、今の世の中、人に少し譲ってみる、少し人の立場になって考えてみる、そういう人を思いやる気持ちや少しの余裕なようなものが少なくなってきている気がしています。例えば、横断歩道を渡ろうとして車が止まってくれたときには会釈をして少し速足で渡る、歩道などでお互いがすれ違うときには少し横によけて通る、傘をさしていてすれ違うときには少し傘を傾ける、などのようなことです。小さなことかもしれませんがお互い気持ちがいいのではないでしょうか。最近あったことですが、道端で具合が悪い人を助けてくれた本校の生徒がいました。2件ありました。本校には、こういう素晴らしい生徒がいるので、私は大変うれしい気持ちになりました。誇りに思います。

 というように、いろいろな場面があると思いますが、人に譲る、人を思いやる、人の立場に立って考える、少しでもそういう気持ちをもって普段生活していれば、お互いがより気持ちよく生活できると思います。そういう気持ちを持つ人がたくさんいればその集団は、もっと居心地のいい集団になるはずです。クラスや部活動、学年など学校の中にもいろいろな集団があります。それぞれの集団の居心地を良くするためには、その集団に属する人それぞれがどういう気持ちで過ごしていけばいいのか、皆さんにもぜひ考えてほしいと思います。そういう気持ちが、やがて、社会への貢献につながっていくのではないかと思っています。以上です。

2学期始業式講話

 皆さん、おはようございます。緊急事態宣言が発令されている中での2学期の開始となり、県からの指示により分散登校のため、概ね半分ずつの生徒に登校してもらっての始まりとなりました。現在は、デルタ株という感染力が強いと言われる新型コロナウイルスのために、全国的に非常に厳しい感染状況が続いています。とくに、首都圏や沖縄をはじめ日本各地で医療体制に影響が出ています。若い人にも感染しやすいということなので、皆さんにもより気を付けて生活してほしいと思います。ここのところ、多少感染者数が減ってきている様子もありますが、夏休みに入るころの感染者数までには全く減っていない状況です。このような状況から今日からの学校での生活についても、今まで協力をお願いしてきたマスクの着用や手指消毒、食事の際に会話をしない、体調が悪いときや家族に体調不良者がいるときには登校を控える、などの感染症防止対策について、これまで以上にしっかり守ってほしいと思います。それから、埼玉県には今年の1月からほとんどの期間で緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が適用されていますので、適用されていることが当たり前と思って行動をする必要があります。皆さん一人一人ができるだけ感染しないようにするためにも、そういったことを頭において日常の生活を送ってほしいと思います。マスクをしていたかどうかが、感染するかしないかを分ける、濃厚接触者になるかならないかを分けるような状況もあります。感染者が複数出れば学級閉鎖や学校閉鎖などもあり得ますので、皆さんの協力をお願いします。 

 さて、今日から2学期が始まりました。始まったとはいえ、しばらくは分散登校となりますので、学校に来る時間が不規則になってしまいます。生活のリズムをつくるためにも、学校に来ない時間もいつもどおり起床して家庭学習をするようにしてください。いつもどおりの学校生活とはいかない大変な状況ではありますが、少しでも前向きな気持ちで過ごしていってもらいたいと思います。前向きな気持ちで過ごしていくことは、いろいろな場面で皆さん自身の生活にいい影響を与えるはずですし、皆さんが社会人になったときにはもっと必要なことになるはずです。例えば、学校の授業や家庭学習では、前向きな気持ちで授業を受ける、勉強するように心がけましょう。科目によっては、苦手意識があって授業や勉強に集中できないようなこともあるかもしれません。つまらない、いやだな、というような気持ちのまま授業を受けたりすることは、脳にストレスがかかってしまい、脳の働きが悪くなってしまうようです。それでは、せっかく勉強をしていても勉強の効果が得られないことになってしまいます。授業を受ける、勉強をすることは、皆さんにとっては避けて通れません。時間の大切さについては1学期の終業式のときに話をしましたが、この授業や勉強の時間を少しでも有効に使って、その時間に少しでも効果が得られればそれに越したことはありません。そのためにも、前向きな気持ちで授業を受け、家庭学習をしていくことが大切なことだと思います。私自身もときには、仕事に対して前向きになれないときがあります。そういうときこそ、気持ちを何とか振り絞って一番取りかかりにくい仕事や一番嫌な仕事を先にやってしまうようにしています。そういう仕事がある程度片付くと、それなりに気持ちが軽くなるものです。私は、長年の経験から自分に対する対処法を見つけてきたつもりですが、皆さんはまだ、どうすれば気持ちを前向きにすることができるか、という方法がなかなか見つからないかもしれません。それでは、どうすれば気持ちを前向きにすることができるのでしょうか。一つには考え方を少し変えてみるということが有効かもしれません。何かやらなければならないことがあったとき、「どうせ無理だ」「できるわけがない」などと考えてしまうことは意外と多いことと思います。そういうときこそ、「どうすればできるかな」「少しでもできることはあるかな」と考え方を変えることによって前向きな方向に行動が変わってくるはずです。嫌なことに対しても「やりたくないな」と思っているより、「とにかくやってしまおう」と考えることによって物事が少しずつ前に進むはずです。このように考え方を変えることが前向きな気持ちになっていくということなのだと思います。意識して前向きに考えるような機会を増やしていくことによって、だんだんとそういう風に考えることが自然にできるようになってくると思います。そうすれば、皆さんにとって難しいことに対しても、できることが少しずつ増えていくはずです。 

 2学期は、勉強だけでなく文化祭や体育祭などの学校行事があります。部活動がある生徒にとっては、さらに忙しい時期になるかもしれません。勉強だけでなく、皆さんがなすべきことはたくさんあります。これらさまざまなことに対して前向きな気持ちで学校生活を送っていくことが、皆さんを大きく成長させることになると思います。また、この時期の過ごし方で皆さんに身に付く力が変わってくるのだと思います。先ほども言いましたが、2学期が始まりました。じゃあ来週から、明日からと先延ばしにせず、今日、いや今から少しでも前向きな気持ちで過ごしてみてはどうでしょうか。皆さん一人一人にとって、充実した2学期になることを期待しています。

第1学期終業式講話

 皆さん、おはようございます。

 はじめに、新型コロナウイルス感染症についてお話します。

 新型コロナウイルス感染症については、まだまだ収まる気配が見られません。東京は、4度目の緊急事態宣言となりました。所沢市も今日から再びまん延防止等重点措置が適用になりました。今回は、8月22日までとなっていますが、これまでの様子を見ていますとどうなるかわかりませんので、皆さんも十分気を付けて生活するようにしてください。変異株のウイルスが広がっており、若い人にも感染しやすいと言われています。明日から夏休みになりますが、1,2年生は主に部活動中心の生活、3年生は進路に向けた生活になると思います。陽性者になったり、濃厚接触者になったりすると関係する部活動が活動停止になったり、進路に向けた活動ができなくなったりしてしまいます。長い期間外に出られない生活をしなければなりませんので、うつらない、うつさないことを意識した生活をすることが重要です。もし、陽性者になったり、濃厚接触者になったりした場合や、感染について心配なことあった場合は、遠慮なく学校に連絡することもお願いします。また、陽性者や濃厚接触者が出た場合、その人たちに対して、詮索したり、誹謗中傷したり、SNSに載せたりするようなことは人権の侵害に当たりますので、そういうことは許されないことも頭に入れておいてください。 

 さて、早いもので、1学期が最終日となりました。皆さんにとって、どのような1学期だったでしょうか。よく頑張った、それなりに何とかやれたと思う人は、2学期になってその調子が持続できるように、夏休みも勉強や部活動など自分のやるべきことに引き続き頑張りましょう。頑張れたところもあるけど頑張り切れなかったところもあるなど少し後悔のある人は、後悔した部分について、勉強なり、部活動なり、その後悔したところを取り返すよう夏休みに取り組みましょう。あれもこれも頑張れなかったという後悔ばかりの人は、夏休みにやるべきことを整理して、今後の生活の立て直しを考え、その上でこの夏休みに少しでも取り返しましょう。すでに、今年度の3分の1が終わったということを頭に入れておいてください。明日からの夏休みは40日間あります。非常に長い時間ですが、始まればあっという間に過ぎていきます。この時間をどのように使ったか、このことが今年度の残りの過ごし方に大きく影響を及ぼしますので、そのつもりで夏休みを迎えてください。少しでも時間を無駄にしないよう過ごしてください。先日、私が努力について話をしましたが、この夏休みはその努力をするときの一つだと思います。

 今時間について触れましたが、時間について少しお話しします。時間は大切、時間を守る、など時間の重要性については、いつも言われていることと思います。では、なぜ時間は大切だったり、守らなければならなかったりするものなのでしょうか。皆さんは、時間について考えたことはありますでしょうか。これまでにも、たくさんの人が時間の大切さについて語っています。例えば、ホンダの創業者本田宗一郎さんは、「時間だけは神様が平等に与えて下さった。これをいかに有効に使うかはその人の才覚であって、うまく利用した人がこの世の中の成功者なんだ」と言っています。サッカーの本田圭佑選手は、「人生24時間の1日の中で余った時間は他にもあるわけですよ。それを他の奴が休んでいる間に走ることに着手すれば、プラスαこのちょっと伸びたら凄いことになる」と言っています。聖路加国際病院の医師で2017年に104歳で亡くなった日野原重明さんという方がいらっしゃいますが、この方は、長年に渡る全国での講演活動や多くの著作を通じ、医師としての立場・医療という領域を超え、いのちの大切さ、平和の尊さなどを、日本の子どもたちに訴えていた人です。この人は、「命はなぜ目に見えないか それは命とは君たちが持っている時間だからなんだよ 死んでしまったら自分で使える時間もなくなってしまう どうか一度しかない自分の時間、命をどのように使うかしっかり考えながら生きていってほしい さらに言えば、その命を今度は自分以外の何かのために使うことを学んでほしい」と言っています。

 このように、社会で活躍した人、している人がその人なりに時間の大切さ、重要さについて述べています。皆それぞれの経験からの発言ですので、まだまだ経験の少ない高校生である皆さんがこれらの言葉を聞いてすぐに納得するような感覚にはならないかもしれませんが、時間が大切なものであることは何となく理解できると思います。今回の夏休みを迎えるにあたって、少しでも時間の使い方を考え、皆さんそれぞれが、より充実した夏休みを過ごしてほしいと思っています。

 9月1日、二学期の始業式には、そろって皆さんの元気な顔が見られることを楽しみにしています。

6月2日(水)全校集会講話

 みなさん、おはようございます。ついこの間、中間考査が終わりました。それぞれの学年で初めての定期考査でしたがどうだったでしょうか。中間考査が終わったところでほっとするだけでなく、本校HPの所商ブログにも書いてありましたが、苦手なところをそのままにしないでできなかったところを復習するなど、少しでも振り返っておくことが今後のために大事なことだと思います。

 新型コロナウイルス感染症防止対策については、所沢市にも「まん延防止等重点措置」が適用され、さらに6月20日まで延長されたことなどに伴い、引き続き登校時間の繰り下げや部活動の制限など生徒の皆さんにも協力してもらっています。ありがとうございます。まだまだ感染者が減らない状況が続いていますので、気を緩めることのないようにしてください。これまでも気を緩めるとすぐに感染者が増えてくるという状況が何度も繰り返されています。いろいろと不便なこともあるかと思いますが、変異して感染力が強くなったと言われるウイルスが広がっている状況もありますので、部活動がさらにできなくなったり、学校が休校になったりしないよう、感染防止対策に協力をお願いします。 

 さて、今日は、「努力」について話をします。今度の東京オリンピック出場を決めた水泳の「池江璃花子」選手のことは分かりますでしょうか。池江選手は、5年前の2016年、16歳でリオデジャネイロオリンピックに出場して、100mバタフライで5位入賞を果たすなど活躍した選手です。その後も日本選手権やアジア大会などに出場し活躍をしていましたが、2年前の2019年2月に白血病と診断され、治療に専念することになりました。その後、抗がん剤治療などの厳しい治療を受けて、髪の毛が抜けたり、体重が15kgも減ったりという大変な闘病生活を過ごしました。その後、その年の2019年12月に退院し、そのときは今から3年後の「パリオリンピックに出場して、これはメダル獲得という目標でがんばっていきたい」と言っていましたが、昨年2020年の3月にプールでの練習を再開し、その年の8月に実戦復帰を果たしました。パリオリンピックを第一目標として取り組んできたとのことでしたが、この間の4月にこの夏の日本開催の東京オリンピックに出られることになったことはご存じのとおりです。

 このとき池江選手が「努力は必ず報われる」と話した場面がテレビで何度も報道されました。これは3年ぶりに出場した日本選手権の100mバタフライで優勝した後のインタビューのときの発言です。ある新聞で一問一答が掲載されていて、この発言がされたところをよく見てみると次のようです。優勝したことについて聞かれて池江選手は、「まさか100mで優勝できるとは思っていなかった。5年前の五輪選考会よりもずっと自信もなかったし、自分が勝てるのはずっと先のことだと思っていた。勝つための練習もしっかりやってきたし、最後は『ただいま』という気持ちで入場してきた。つらくてしんどくても、努力は必ず報われるんだなと思った」と話したようです。私は、この台詞から池江選手が相当つらい闘病生活をくぐり抜けて、やっと練習を始められて、やはり相当つらい練習に人一倍取り組んできた、という気持ちがよく表れているな、と感じました。それほどの努力があったからこそ、結果的に東京オリンピックへの出場を決められたのだろうと思いました。

 われわれは、誰しもどこかでここぞという努力をしないとならないときが必ず何度かあります。そのときにどれだけ努力をしたか、恐らくその努力をした分だけ報われる可能性があるのではないかと思っています。しかし、努力すれば必ず希望のとおりに報われるとは限らないところが難しいところでもあるのですが、努力をしなければ絶対に報われることはないのです。この話を皆さんにするにあたって私自身について振り返ってみると、私のこれまでの努力が報われたかどうかを考えたとき、いろいろと考えてしまいます。私がした努力は希望を叶えるところまでそれだけの努力をしたのかどうか反省するところがたくさんあったように思っているからです。

 皆さんが、何に対していつどれだけ努力しているのかは分かりませんが、高校生という時期はそれなりに努力が必要なときがいくつもあるのではないでしょうか。皆さんがその機会を逃さないで努力をすることは、今後の皆さんの人生を左右するに違いありません。高校の三年間はあっという間に過ぎます。三年生はもう残り10か月もありません。将来、少しでも後悔しないためにも、今後の貴重な時間を無駄にしないよう考えながら過ごしてほしいと思っています。以上です。

令和3年度入学式式辞

 新緑が輝きを増し、春の香りが満ち溢れるすがすがしい今日の佳き日に、保護者の皆様の御臨席を賜り、ここに埼玉県立所沢商業高等学校第53回入学式を挙行できますことは、本校にとりまして、この上ない喜びと深く感謝申し上げます。

 ただいま、本校への入学を許可いたしました211名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。皆さんは、自らの意思でこの所沢商業高等学校を選択し、本日、晴れて本校に入学することになりました。教職員一同、皆さんを心から歓迎し、お祝いを申し上げます。本校は、昭和44年に開校され、三年前に創立五十周年を迎えた伝統ある高校です。また、学校の名前にあるとおり、商業教育に重点を置いて取り組む高校です。そのことを念頭において、自らの意思でこの学校の門をくぐってきたということを忘れずに充実した高校生活を送れるよう努力してほしいと思います。

 保護者の皆様、お子様の御入学、誠におめでとうございます。これまで、お子様を育ててこられました皆様の御尽力に敬意を表します。本日、お子様の晴れ姿を御覧になり、頼もしく感じられたことと思います。心からお祝いとお喜びを申し上げます。また、御臨席に際しまして、新型コロナウイルス感染症防止対策に御協力をいただきましたことに、お礼申し上げます。

 さて、新入生のみなさん、いよいよ今日から三年間の高校生活が始まります。今、皆さんが抱いている高校生活に対する新鮮な気持ちをいつまでも忘れないであらゆることに取り組んでいってほしいと思います。そこで、私から二つお話しします。

 一つ目は、「基礎学力と専門性をしっかり身に付ける」ことです。本校は、商業教育を担う専門高校ですので、職業人として必要とされる力を身に付けた人材、つまり将来のスペシャリストの育成という目的があります。そのためには、まずは基礎学力をしっかりと身に付けることが必要です。専門高校といっても国語や数学、英語など、いわゆる普通の教科の学習もあります。これをおろそかにしては、専門教科を学習してもしっかりと身に付かなくなってしまいます。普通教科を土台として、その上に専門性を積み重ねていくのだと考えてください。将来のスペシャリストになるためには、本校で学ぶ内容はどれも必要なものばかりですので、それらをしっかりと学び、本校で職業人としての基礎を身に付け、社会で活躍できる人材になってほしいと思います。

 二つ目は、「人間性を高める」ことです。人間性が豊かな人とは、他の人への気遣いができ、思いやりがあるような人で、周囲との人間関係がうまくつくれます。そうではなく、他の人への気遣いができなかったり、自己中心的だったりすると周囲の人たちとの人間関係がうまくつくれないことは分かると思います。人間性を高めるためには、どうしたらよいでしょうか。学習はもちろんのこと、部活動や学校行事などにも前向きに参加していくことだと思います。それにより、自然と人間性が磨かれていきます。これまでの自分を振り返り、少しでも人間性を高めていくにはどうすればよいのか、考えて生活していってほしいと思います。また、SNSの使い方などにも十分注意し、人間性を高めることによって、新しい仲間たちと充実した生活を送れるようしていってください。人間性を高めることも職業人として必要な資質の一つであることは言うまでもありません。

 次に、保護者の皆様にお願い申し上げます。本校において、生徒一人一人が高校三年間を有意義に過ごし、進路実現を果たすために教職員一同力を尽くしてまいりますが、学校だけでお子様の健やかな成長を達成することは困難でございます。御家庭との連携、協力が必要なことは申し上げるまでもございません。御家庭と学校が両輪となり、お子様の成長を支援してまいりたいと存じますので、各御家庭におかれましても、本校の教育方針を御理解いただき、基本的な生活習慣の確立や家庭学習の定着などについて、御指導くださいますようお願いいたします。

 結びに、新入生の皆さん一人一人が充実した高校生活を送れるとともに、健やかに成長できますよう祈念し、式辞といたします。

                         令和3年4月8日 埼玉県立所沢商業高等学校長 木村郁文

令和3年度第1学期始業式講話

 みなさん、おはようございます。新年度を迎え、いよいよ一学期が始まりました。新3年生の皆さんは最上級生になりました。進路を決める年です。就職するにしても進学するにしてもしっかりと自分の進路を見極めて、ぜひともこの高校生活最後の一年間を悔いのないように過ごしてほしいと思います。新2年生の皆さんには後輩ができ、学校の中心となって活躍する年です。勉強はもちろんのこと部活動や学校行事など様々な活動を経験して、力を蓄え3年生への準備をしてほしいと思います。これまで、たくさんの卒業生を輩出してきた所沢商業高校の50年を超える伝統を受け継ぎ、誇りをもって精進していってもらえればと思います。

 さて、生徒の皆さんにとって、昨年度の一年間はどのような一年間だったでしょうか。新型コロナウイルス感染症防止対策により昨年の3月から急に臨時休校になったまま4月が始まりました。生徒の皆さんはもちろんのこと、先生方も戸惑いながら様々な対応にあたってきました。普段からマスクを着用することやアルコール消毒が当たり前になり、食事をするときは会話を控えなければならなかったり、外出を控えなければならなかったり、ソーシャルディスタンスで隣の人との距離をとるようになったり、大勢での集まりがしにくくなったり日常の生活の仕方の急激な変更を余儀なくされました。常識が変わったのです。10年前の震災の時にもとんでもないことが起きたと思いましたが、今度は社会の常識が変わるほどの変化が、生活の仕方を変えなければならないほどの変化が社会に起きたのです。

 では、なぜ新型コロナウイルス感染症に対してどうしてこのような対応をしなければならないのでしょうか。改めて確認しますと、それは、今のところ予防ができないからだと言われています。どういうことかと言うと、一番の問題は、感染したにもかかわらず、いわゆる無症状の期間があることと、感染力の時期の問題ということのようです。通常、新型コロナウイルス感染症は、感染してから4~6日で発症することが多いようですが、無症状のままの人もいます。問題なのはいつから感染力があるかです。この感染症は、インフルエンザなどとは異なり、発症する2日前から人にうつす可能性があるそうです。また、無症状の人からも感染するようですので、防ぎようがないということです。そのため、すべての人が新型コロナウイルス感染者と考え、対応しなければいけないということです。さらに、重症化する場合があることや、インフルエンザなどと比べ致死率が高いこともあるようです。このように対策が取りにくいことから、生活様式を変えなければならないような様々な対応をするようになったのです。

 皆さんは、今起こっているこのような社会の変化に対応できていますでしょうか。また、withコロナとも言われていますが、この先、どのような社会になっていくと考えますか。あるいは、どのような社会にしていかなければならないと考えますか。皆さんは、近い将来社会に出て、これからの社会をつくっていく人たちです。今身の周りに起こっていること、このことをよく考えながら自分たちの進路についても考えていってほしいと思います。また、この先さらに思いつかないような出来事が起こるかもしれません。それでも、たくましく生きていける強さ、柔軟に対応できる柔軟さ、を身に付けていってほしいと思います。そのためには何をしなければならないのでしょうか。何か特別なことをしなければならない、ということではありません。普段からの学校の勉強、部活動、学校行事など、今、しなければならない当たり前のことにどれだけ真剣に取り組むか、結局そういうことが人間をつくっていく、人間を成長させていく基本であると考えます。何か特別なことができなければそういう人間になれないということは全くありません。

 まもなく授業が始まります。まずは、新学期を迎えたということで、気持ちも新たに勉強に向かうところから学校生活に取り組んでいってください。皆さんの元気な姿が見られることを期待しています。

令和2年度3学期終業式校長講話

                         思いやりある人に

皆さん、おはようございます。

 今日で令和2年度が終わります。この1年を振り返ってみると、本当に我慢することの多い大変な1年だったと思います。昨年3月から約3ヵ月も続いた臨時休業。1年生の皆さんにとっては、入学式に出席して以来、約2ヵ月学校が始まらず、高校生になった自覚や喜びも感じられないまま6月を迎え、突然高校生活が始まったという感覚だったでしょう。高校生としての心の準備もままならなかったと思います。その後の学校生活も我慢と不自由の連続でした。文化祭や体育祭も中止、部活動もかなり制限されました。そして何と言っても修学旅行の中止。2年生の皆さんは、本当に悔しい思いをしたと思います。そんなこれまで当たり前にできていたことができなかった制約と我慢の1年が今日で終わります。学校行事の形も変わりました。放送での始業式や終業式もすっかり定着してしまいました。

 この1年間、校長として始業式、終業式でいろいろ話をしてきました。ちょっと振り返ってみたいと思います。1学期の終業式には「コロナに打ち勝て」という話をしました。コロナのせいにしないで今やるべきことをしっかりやって、将来「コロナのおかげで今の自分がある」と言えるようにしてほしいと話しました。

  2学期の始業式には「ありがとう」という言葉の力、大切さについて話しました。終業式には「高校生らしさ」とは何か、「真面目さと素直さ」ではないかという話をしました。

 そして3学期の始業式では、アフターコロナの世界、エネルギーの大転換を図り脱炭素社会を目指す「グリーン・リカバリー」についてお話ししました。

 そして今日は今年度、最後の校長講話です。とってもシンプルで身近なこと、だけどとても大切なことをお話したいと思います。それは、「思いやりを持つ」ということです。思いやりのある優しい人間になってほしいということです。

 私は思いやりを持って接する対象は3つあると思っています。1つ目は「自分」2つ目は「周りの人」そして3つめは「社会」です。

 まずは自分。自分に対して思いやりを持って接してください。疲れている時、心が苦しい時、辛い時、無理しないでください。思いやりをもって自分の心と体を見つめ、そして対話をしてください。時には心と体を休めてほしいと思います。また何かいやなことがあった時、諦めたり自暴自棄になるのではなく、心を鎮め静かに1度立ち止まってください。そして丁寧に冷静にそのことに対処してほしいと思います。怒りや諦めは決して皆さんの生活を豊かにするものではありません。

 次に周りの人。悩んだり悲しんでいる人がいたら、そっと寄り添ってください。話を聞いてあげてください。一緒に悲しんであげてください。家族の誰かが忙しそうにしていたら何かできることを見つけて手伝ってください。白杖をついて歩いている人を見かけたら勇気を持って声をかけてください。皆さんが思いやりを持って笑顔でいれば周りの人も笑顔になります。そして、周りの人の心が穏やかになれば皆さんの心も穏やかになります。

 そして最後は社会。社会に思いやりを持って行動していますか。ゴミの分別をちゃんとやっていますか?電気や水を無駄に使っていませんか?献血をしたことがありますか?何かボランティア活動はしていますか?若い皆さんには思いやりの心を持てば社会のために今できることがたくさんあります。

 自分に、周りの人に、そして社会に思いやりを持つ。是非、心に留めて実践してください。もう少し続くコロナ禍の世の中には特に大切だと思います。そしてそのことが、みなさんの生活、人生を豊かで楽しいものにしてくれます。思いやりのある優しい人になってください。

 最後に4月はもうすぐです。4月になると2年生は最上級生、1年生は学校の中心的存在である2年生になります。そしていよいよ後輩が入学してきます。新年度の準備をしっかりしてください。今自分ができること、しなければならないことをコツコツと実行してください。もうしばらく我慢の日々が続くと思いますが、正しいやり方で行えば少しずつやれることが増えていくと思います。もし状況が許せば始業式は、体育館にみんなで集まれればと思います。希望を持って新年度を迎えてください。4月8日、元気に登校してください。

 

 

 

第50回卒業証書授与式校長式辞

                                                                                      式  辞

 只今、卒業証書を授与された224名の卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。みなさんにとって、高校生活最後の1年は、我慢することの多い大変な1年だったと思います。昨年3月からの約3ヶ月にもおよぶ臨時休業。希望をもって締めくくりの1年を迎えようと張り切っていたみなさんにとって、本当に辛いスタートだったと思います。それまで頑張ってきた部活動の集大成である最後の大会やコンクールも多くが中止になりました。また文化祭、体育祭など、仲間との最後の思い出づくりの場も奪われてしまいました。そして、それぞれの進路を決める活動についても少なからず影響があったと思います。もしかしたらコロナ禍の影響で、家庭においても何か辛い思いをした人もいるかもしれません。しかしそうした全ての事を乗り越えて、みなさんは今日の日を迎えることができました。改めて、心からお祝い申し上げます。

 卒業は、人生にとって大きな節目であり、新しい世界へ羽ばたく出発点であります。この輝かしい門出に当たり、私から二つのことをお話したいと思います

 1つ目は「意思決定プロセスへの参加」ということです。この1年コロナ禍の世界において、私たちの心を曇らせたことがあります。それは民主主義への攻撃です。香港では国家安全維持法が施行され、政府に異を唱える議員や活動家が次々と逮捕され、現在も香港の人々から自由や人権が日に日に奪われています。また2月には、ミャンマーでクーデターが発生しました。この10年、目覚ましい経済発展を遂げてきた民主的な政権が再び軍隊に乗っ取られてしまいました。そして1月6日のアメリカ連邦議事堂への乱入事件。世界の民主主義をリードしてきたアメリカ合衆国のまさしく民主主義の象徴である連邦議事堂を破壊し、乱入する暴徒の姿に誰もが目を疑いました。民主主義の脆さを目の当たりにした瞬間でした。このようにこの1年、世界の各地で民主主義が危機に陥りました。 

 では民主主義が脅かされる時、つまり政治や社会が、おかしな方向に進もうとしている時また進んでいると感じた時、みなさんはどうすればいいのか。それこそが「意思決定のプロセスに参加する」ことです。自らの意志を社会に示し、物事を決めるプロセスに参加することです。自分の意見を言葉にし、間違っていることには間違っているとはっきりと伝える。そして正しいと信じることを訴えていく。そうすることで、意思決定のプロセスに参加し、これからの民主的な社会を創り上げていく。それは皆さん一人ひとりの責任なのです。選挙で1票を投じること、つまり選挙権を行使することは勿論ですが、しかしそればかりではありません。平和的なデモに参加する、SNSで意見を発信する、アンケートに答える、会議で発言するなど自分の意志を示す方法はいくらでもあります。是非みなさんには、責任のある大人として民主的な社会の「守り手」になってほしいと切に願っています。

 2つ目は「所商で出会った友人を大切にしてほしい」ということです。コロナ禍はしばらく続くでしょう。しばらくは人との接触を避ける生活、会議や授業はオンラインで行われ、人との繋がりや親睦を深める機会がなかなか持てないでしょう。そうした生活の中で、もしかしたら寂しさや孤独を感じてしまうかもしれません。そんな時、大きな力となるのが、所商で出会った友人です。3年間、共に生活し育んだ友情は、たとえ皆さんがそれぞれ違う道に進むとしても変わることはありません。寂しい時、不安な時、遠慮することなく連絡を取り、お互いを励まし合い、助け合ってほしいと思います。所商で出会った友人は間違いなく、みなさんにとって一生の宝物です。大切にしてください。

 最後になりましたが、保護者、ご家族の皆様におかれましては、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。この3年間で立派に成長されたお子様の晴れ姿を目にされ、喜びもひとしおのことと存じます。

皆様には入学以来、本校の教育方針をご理解いただきまして、終始、温かいご支援とご協力を賜りましたことを心より感謝申し上げます。

 結びに本日、このように第50回卒業証書授与式を保護者の皆様と共に挙行できましたことに感謝すると共に、224名の卒業生のみなさんの輝かしい前途を祝し、今後の限りないご活躍を心から祈念いたしまして式辞といたします。

 

   令和3年3月12日

   埼玉県立所沢商業高等学校長

        鈴 木 啓 修

 

第3学期始業式校長講話

                      「グリーン・リカバリー」

新年明けましておめでとうございます。冬休みはどうでしたか?充実した時間を過ごすことができましたか?今回は例年とちがった年末年始だった人も多いと思います。またいろいろと我慢をしなければならないこともあったと思います。しかしまずは大きな事故もなく、こうして3学期が迎えられることを大変嬉しく思います。

 新型コロナについては、現状は大変厳しい状況にあります。全国的にも感染者の数は増えていますが、特に私たちが住む1都3県の状況は大変深刻です。医療体制もひっ迫しており、皆さんも知っているとおり、昨日1都3県に対して「緊急事態宣言」が出されました。今回は学校の臨時休業はありませんが、学校生活における感染防止対策について、教育委員会から細かい指示が出ています。のちほど担任の先生や部活の顧問の先生からお話があると思います。指示をしっかり守って生活してください。

 さて、皆さんにとって勿論目の前の状況を正確に把握しつつ、正しい日々の生活を送ることは大切ですが、そればかりにとらわれていると心が疲れてしまいます。皆さんのような若い人々にはもっと先、コロナが収束した後の世界について思いを巡らしてほしいと思います。コロナは必ず収束します。治療の方法も以前に比べてわかってきているしワクチンも開発されました。このワクチンが普及し、多くの人々に行き渡れば、いずれコロナは収束します。コロナウイルスがこの地球上から消え去ることはないでしょう。しかし少なくとも社会が、そして人々が新型コロナをインフルエンザと同じような病気と捉えるようになるでしょう。その時がコロナの収束ということです。

 コロナ後の社会をどう作っていけばいいのか。新型コロナウイルス感染の世界的な拡大という一見マイナスな現象を、どうプラスに変えていけばいいのか。勿論すでに世界で180万人以上の人が亡くなっている現状を見れば、人類史上大変な惨事であることは事実です。しかしアフターコロナを生きていく若い皆さんには、是非「長い視点と広い視野」を持って生きていってほしいと思います。「長い視点と広い視野」を持ってコロナ後の社会をどう作っていけばいいのか考えてほしいのです。その一つのヒントとなるのが、「グリーン・リカバリー」です。

 実はコロナの影響で経済活動がストップしたおかげで、二酸化炭素の排出が削減されました。前の年に比べて17%ぐらい削減されたという報告が昨年の4月に出ています。さらに1年間でみると7%から8%ぐらいの削減になるのではないかと言われています。年間7~8%のCO2の排出削減がどれぐらいすごいかといえば、2009年のリーマンショックの時のピークでも2%も削減しなかった。それと比べると7~8%の削減というのがいかに大きいかが分かります。コロナ禍は環境にとっては大きなプラスの面があったのです。新聞やテレビで「大気汚染が深刻なインドで数十年ぶりにヒマラヤが見えた」とか「イタリアのベネチアで緑色に濁っていた運河の水が透明になった」といったニュースをみなさんも目にしたことがあると思います。

 ではコロナが収束した後どうするのか。コロナが終わったから、とにかく経済を回復させなくちゃいけない。環境を気にしている場合じゃない、とにかく経済を回すのだ!となってしまうのか。それではまずいわけです。せっかく減ったCO2の排出が、リバウンドでもっと増えてしまうということになります。それでは元も子もない。

 そこで重要な考え方が「グリーン・リカバリー」です。時間がないのであまり詳しくはお話できませんが、簡単に言うとアフターコロナの復興において、現在の社会や経済システムを持続可能なものへ変えていく。単にコロナ前の状況に戻るのではなく、より良い復興に向けて経済と環境問題への対策と結び付けるということです。

 また大切なことは、「社会のアップデート」という考え方です。温暖化対策って「がまん」だと思っている人がまだまだ多い。夏の暑い日にエアコンを止めるとか、設定温度を上げて、汗をダラダラ流しながら地球のためだと言っても長続きしません。今回のコロナ禍で学んだことは、「がまん」は長続きしないということです。「社会のアップデート」とは、例えばエネルギーシステムなどの変換です。つまり石油、石炭、天然ガスでエネルギーを作るのをやめて、太陽光とか風力とかで作って、バッテリーなどもうまく活用して社会にエネルギーを供給できるようにする。そういう新しいエネルギー文明に移行すること。また車や飛行機に乗って移動しなくても、遠くにいる人と会議ができる。話をすることができる。それが「社会のアップデート」ということです。もうすでに今回のコロナ禍で、遠くにいる人と会議をすることが当たり前になりました。

 世界はこれから、そういった方向に進んでいくのは確実です。アメリカも政権が変わり「グリーン・リカバリー」に大きく舵を切るでしょう。ヨーロッパは、すでに進んでいます。日本政府もようやく、昨年の10月に2050年までに脱炭素化社会の実現を目指すと宣言しました。脱炭素社会への方向は今後かならず加速していきます。

 それでは、今日からみなさんは何ができるか。高校生の皆さんは大きなことを考えなくてもいい。無駄にエネルギー使わないとかリサイクルをちゃんとするなど、身近にやれる環境に優しいことから始めてください。でも一番大切なことは、今この「グリーン・リカバリー」という言葉を覚えて意識することです。なぜなら若い皆さんが、これからの世の中の方向性をしっかり理解し意識するということは、とても大切だと私は思うからです。そして自分なりにさらに勉強してみてください。これからの社会を担っていく皆さんの高い意識に期待したいと思います。皆さんが社会に出て、働き盛りの20年後、ガソリンで走る車がこの世からなくなっていることに驚かないよう今からしっかり意識して勉強してほしいと思います。

 では、今日から始まる3学期、いろいろな不便や我慢の状況が続くと思いますが、「長い視点と広い視野」を持って、アフターコロナを見据えて日々頑張ってほしいと思います。