令和5年度入学式式辞 R5.4.10(月)

 春の日差しが心地よい季節となりました。新緑が輝きを増し、春の香りが満ち溢れる今日の佳き日に、御来賓の方々をお迎えし、保護者の皆様の御臨席を賜り、ここに埼玉県立所沢商業高等学校第55回入学式を挙行できますことは、本校にとりまして、この上ない喜びと深く感謝申し上げます。ただいま、本校への入学を許可いたしました180名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。教職員一同、皆さんを心から歓迎し、お祝いを申し上げます。本校は、昭和四十四年に開校され、創立から五十年を超えた伝統ある高校です。また、学校の名前にあるとおり、商業教育に重点を置いて取り組む高校です。そのことを念頭において、自らの意思でこの学校の門をくぐってきたということを忘れずに、充実した高校生活を送れるよう努力してください。保護者の皆様、お子様の御入学、誠におめでとうございます。これまで、お子様を育ててこられました皆様の御尽力に敬意を表します。心からお祝いとお喜びを申し上げます。

 さて、新入生のみなさん、いよいよ今日から三年間の高校生活が始まります。今、皆さんが抱いている高校生活に対する新鮮な気持ちをいつまでも忘れないであらゆることに取り組んでいってください。そこで、私から二つお話しします。一つ目は、将来に向かって「やりたいことやできることを見つけること」です。もうすでに、自分のやりたいことがある人はそれに向かって進んでいってほしいと思いますが、まだ決まっていない人も多いことと思います。どちらの人も今日からの高校生活において、勉強や学校行事、生徒会活動、部活動など様々なことを経験していく中で力をつけていき、自分の進むべき方向性を確実にする、あるいは見つけていくようにしてほしいと思います。もちろん、やりたいことがあってもすべての人が自分のやりたい道に進めるわけではありません。そのためにも、自分は何ができるのか、そういう視点からも考えていってほしいと思います。そのできることの中から、自分がやっていけそうなことを見つけていくこともとても重要なことです。いい加減に高校生活を過ごしては、やりたいこともできることもそれなりのことしか見つからないでしょうし、充実した高校生活を送れば見つかるものも大きくなるものと思います。高校の三年間はあっという間に過ぎ去ります。時間を無駄にしないよう自分の可能性を引き出すためにも高校生活の様々なことに積極的に、一生懸命に取り組んでいくことが大切です。 二つ目は、「人間性を高める」ことです。人間性が豊かな人とは、他の人への気遣いができ、思いやりがあるような人で、周囲との人間関係がうまくつくれます。そうではなく、他の人への気遣いができなかったり、自己中心的だったりすると周囲の人たちとの人間関係がうまくつくれなくなってしまいます。人間性を高めるためには、どうしたらよいでしょうか。それは、先ほどもお話ししましたように学習はもちろんのこと、学校行事や部活動などにも前向きに参加していくことです。それにより、自然と人間性が磨かれていきます。高校は、義務教育ではありませんので中学校までの意識のままでは通用しません。皆さんは在学中に成人となる大人の一歩手前にいるわけですから、社会へ出ていくために必要な知識や振る舞いも身に付けていくことが求められます。そういうことを踏まえて、これまでの自分を振り返り、少しでも人間性を高めていくにはどうすればよいのかを考えながら生活していってほしいと思います。

 次に、保護者の皆様にお願い申し上げます。本校において、生徒一人一人が高校三年間を有意義に過ごし、進路実現を果たすために教職員一同力を尽くしてまいりますが、学校だけではお子様の健やかな成長は達成できません。ぜひとも御家庭の御協力が必要でございますので、各御家庭におかれましても本校の教育方針を御理解いただき、基本的な生活習慣の確立や家庭学習の定着など、御指導くださいますようお願いいたします。

 結びに、新入生の皆さん一人一人が充実した高校生活を送るとともに、健やかに成長できますよう祈念し、式辞といたします。