校長メッセージ

校長先生の部屋へようこそ!

令和2年度第52回入学式校長式辞

                                    式  辞

 ただいま入学を許可いたしました218名の新入生のみなさん、入学おめでとうございます。教職員一同、みなさんを心から歓迎いたします。新型コロナウイルスの感染拡大のため、今年の入学式は、保護者も来賓もいないという異例な形での挙行となりました。しかし、教職員だけでも、こうしてみなさんの入学をお祝いできることは、大きな喜びであります。

 さて、いよいよ本日から3年間の高校生活が始まります。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、当面の間は臨時休業が続いたり、例年実施している学校行事が中止や延期になったり、しばらくの間はいろいろ我慢しなければならないことがあると思います。しかし、これから始まる三年間をしっかり見据えて、今日から気持ちを新たにスタートしてほしいと思います。この3年間は皆さんの将来を決定づける、大切な3年間であると言ってよいでしょう。そのスタートとなる入学式にあたり、私から2点お話をします。

 1つ目は「大きな夢と高い志を持ってほしい」ということです。自分の人生を切り拓き夢を実現していくためには、皆さん一人ひとりが学力は勿論、肉体的にも精神的にも大きく成長しなければなりません。自分が将来「こうなりたい」という明確な理想像を描き、それに向けて日々精一杯努力して欲しいと思います。この3年間、しっかり努力すれば資格取得でも部活動でも大きな成果を得られることは、本校の多くの先輩方が証明しています。その原動力が「大きな夢と高い志」です。先生方も、全力で皆さんを応援します。是非、多くのことに積極的にチャレンジしてほしいと思います。

 2つ目は、「多様な価値観を認める」ということです。グローバル社会、グローバル人材という言葉を聞いて「私には関係ない」と思う人もいるかもしれません。しかしそうではありません。今回の新型コロナウイルスの世界的な感染拡大もグローバル化がもたらした一つの現象です。また日本の社会における「内なるグローバル化」は確実に進んでいます。現在、我が国には約283万人の外国人が暮らしています。また埼玉県内の外国人も増え続け、令和元年6月末で18万9千人、県の人口に占める割合は2.6%となり約50人に1人は外国人です。今は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、一時的に世界の人の動きは止まっていますが、来年の東京オリンピック・パラリンピックが開催される頃には、再び世界中から多くの人々が我が国を訪れ、このスポーツの祭典をみんなでお祝いすることになるでしょう。また、みなさんが社会に出るころには、外国人と働き共に暮らすということはあたりまえになるのです。ですからみなさんには、多様な文化、宗教、価値観に関心を持ち、オープンな心で接し理解しようとする態度を養ってほしいと思います。近い未来、世界中から集まる人々と共に、平和で豊かな多文化共生社会を築いていくのは、まさにみなさんなのです。

 結びに、今みなさんが抱いている新鮮な気持ちと緊張感をいつまでも忘れずに、全てのことに全力で取り組み充実した高校生活を送ることができますよう念願し、式辞といたします。

                                                      令和2年4月8日

                                                      埼玉県立所沢商業高等学校長

                                                      鈴 木 啓 修

 

第49回卒業証書授与式 式辞

                                     式  辞

  只今、卒業証書を授与された229名の卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。入学以来3年間の努力が実を結び、めでたく卒業するみなさんに心からお祝い申し上げます。本来なら、ご家族の皆さん、在校生、そして来賓など多くの方々と共に、みなさんの門出をお祝いすべきところですが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために、今回は卒業生のみなさんと教職員だけの卒業式となりました。みなさんにとっては、これまで支えてくれたご家族の方々や、共に所商生活を過ごした後輩たちに、この晴れ姿を見てもらえないことは、大変残念なことだと思います。しかし、こうして教職員だけではありますが、皆さんの卒業をお祝いすることができて幸いであると感じています。

 みなさんにとって大きな節目であり旅たちの日である卒業式に、はなむけの言葉として、私から一つだけお話したいことがあります。それは、「しなやかに生きる。」ということです。今回の新型コロナウイルスの感染拡大は、この卒業式だけではなく、我々の生活や社会に大きな影響を与えています。新しい年度に向けた様々な説明会や研修会、入学式や入社式の中止。楽しみにしていたイベントの中止や延期、また業種によっては仕事がなくなり収入が大きく減ってしまっている人もいると思います。「コロナウイルスのバカヤロー」と叫びたくなるかもしれません。しかし、いくら叫んでみても状況はなんら変わりません。目の前にある現実をしっかり受け止め、しなやかに、そして粛々と前に進んでいくしかないのです。その点でみなさんは、もうすでにその能力を見事に発揮してくれました。おととしの修学旅行。初日の台湾行きの飛行機が整備不良で飛ばず、急遽、千葉県の白子に一泊しました。旅館が決まるのにも時間がかかり、到着したのはかなり遅い時間で、寒くておなかもすいていました。旅館が用意してくれたおにぎりの味は今でも忘れないと思います。次の日の朝は空港に向け5時に出発と、かなりハードなスケジュールでした。それでもみなんさんは、文句一つも言わず、我々教職員の指示に粛々と従ってくれました。実にしなやかに対応してくれました。本当にみなさんの態度・行動は立派でした。台湾での最後の夕食の時、私はどうしてもみなさんにお礼が言いたくてマイクを持ちました。あの時は感謝の気持ちと感動で胸が熱くなったことを覚えています。

 これからの長い人生で、全く予期しなかった不都合な出来事が何度も起こることでしょう。自分の責任ではない不可抗力が、みなさんの行く手を阻むかもしれません。そんな時、怒ったり諦めたり後ずさりするのではなく、冷静にしなやかに粛々と前に進んでいってほしいと思います。みなさんには、その資質と能力があるのです。自信をもって前に進んでほしいと思います。

 結びに、本日出席が叶わなかったみなさんの最大の理解者、これまで見守ってくれたご家族への感謝の気持ちを、自宅に帰ったら是非、言葉にしてほしいと思います。そしてここにいる229名の卒業生のみなさんの輝かしい前途を祝し、今後の限りないご活躍を心から祈念し、式辞といたします。

 

                                                               令和2年3月13日

                                                               埼玉県立所沢商業高等学校長

                                                                     鈴 木 啓 修

 

2月全校集会校長講話

                                  やるべきことをやる

 早いもので、2月の全校集会を迎えました。皆さんも気づいていると思いますが、3年生が今日から家庭研修に入りました。3月13日の卒業式を含め、あと3回しか登校しません。ということは、今日からここにいる1、2年生諸君が学校生活の中心になるわけです。あと2か月もすれば、2年生諸君が最上級生になり、1年生は2年生になり学校の中心として活躍することを期待されます。また、1年生が入学してきて、君たちは先輩になるわけです。時の流れを感じます。

 時の流れを感じる時に大切なことは、自分自身の成長を客観的に振り返ることです。この1年、時が流れていく中で、自分がどれだけやるべきことができたかを振り返ることが大切です。先月の始業式で私は、好きなこと、やりたいこと興味あることにチャレンジし体験してほしいと話しました。しかし、やりたいことをやるためには、まずやるべきことをちゃんとやらなければなりません。やるべきこともやらないで、やりたいことだけやっていたら、それは単なるわがままであり、成長はありません。やるべきことをやらないで成長はないのです。遅刻をしないで学校に来る。あいさつをする。人の話を聞く。授業をしっかり受ける。宿題や課題をしっかりやる。提出物はちゃんと出す。ちゃんと掃除をする。部活を一生懸命にやる。校則を守る。そういった当たり前のやるべきことをちゃんとやることが大切です。最近、そういった当たり前にやるべきことができていない人が少なからずいると聞いています。そういった人がこの中にいるとしたら、非常に残念なことです。是非、改めてください。

  やるべきことを日々ちゃんとやることで、皆さんは成長し、ちゃんとした2年生、3年生になれるのです。あと2か月、立派な2年生、3年生になれるよう日々やるべきことをしっかりやり、毎日を大切に過ごしてください。

3学期始業式校長講話

                                 体験して感じる

 

 新年明けましておめでとうございます。冬休みはどうでしたか?楽しく充実した日々を過ごせましたか?まずは大きな事故もなく、こうして3学期の始業式が迎えられることを大変嬉しく思います。

 2020年、令和2年という年を迎えたわけですが、この新しい年の最初の講話にあたり、今日は「体験して感じてほしい」という話をしたいと思います。 

 昨年の3月に現役を引退したイチローさんのことは皆さんもよく知っていると思いますが、彼が12月22日に、故郷の愛知県、豊山町で自身が大会会長を務める「イチロー杯争奪学童軟式野球大会」の閉会式に出席しました。引退したことで、オリックス時代の1996年から続いたこの大会は24回目の今回が最後の大会となりました。その閉会式でイチローさんは、少年たちに最後のメッセージを送りました。彼は次のような話をしました。

「今は、調べればいろいろなものが分かる時代になった。世界が小さくなったように思えるけど、僕が28歳で米国に渡って大リーグに挑戦し、調べれば知識として分かることであっても、外に出て初めて分かることがたくさんあった。傷つくこともあるし、楽しいことだってある。ただ知識として持っているのではなく、体験して感じてほしい。そういう経験を将来みんなにしてほしい。あって当たり前のものは、決して当たり前ではないと気付く、価値観が変わる出来事をみんなに体験してほしい。28年のプロ野球生活を終えて僕が強く感じていることなので、ぜひみんなに覚えておいてほしいと思います。」

 ここで彼が伝えたかったことは、「とにかく実際に体験して感じてほしい」ということです。皆さんはスマホを片手に、自分の知りたい情報を簡単に入手できる時代に生きています。インターネットのおかげで、世界中で今、何が起きているかを瞬時に知ることができます。しかしインターネットで情報を得るということと、実際にその場で体験し感じることとは大きな違いがあります。その場で体験し感じるという経験は、時には人生を大きく変えるほどのインパクトがあると思います。

 私は所商に赴任する前、国際協力機構(JICA)という組織に2年間、研修に出ていました。その2年間で様々な開発途上国に行かせてもらい、実際にその国の空気を吸い、そこに住む人々と話をし、多くのことを感じることができました。まさしくそれまで当たり前だと思っていたことが、決して当たり前でないと気付くことが多くありました。本当に貴重な経験であったと思っています。

 2年生、3年生諸君も沖縄、台湾に修学旅行で訪問し、それぞれの現地で感じたことが多くあると思います。そういった直接の体験をとおして感じたことは、スマホで得た情報とは全く違うと思います。本当の体験は皆さんが心と体で感じるものであり、価値観を大きく変える経験になるかもしれません。

  是非、今年はいろいろな体験をしてほしいと思います。それは旅行をするということだけでなく、自分の足を使って現場に行って直接、見たり聞いたりして体験することです。美術館や博物館に行くのもいいでしょう。コンサートやライブに行くのもいいでしょう。生の体験をしてみることです。

2020年は夏に東京オリンピック、パラリンピックが開催されます。日本にいながら、一生に一度の経験かもしれない素晴らしいイベントが体験できるのです。世界中からたくさんの人々がやってきます。是非、何らかの形でオリンピック、パラリンピックを体験してほしいと思います。

 それでは3学期、いろいろなことを体験し成長してください。

 

2学期終業式校長講話

「エシカル消費」

2学期も今日で終わりです。9月から4ヵ月の学校生活はどうでしたか?自分が満足できる生活が送れましたか?先日の成績会議で2学期は1学期に比べ、成績不良者が増えたという報告がありました。非常に残念なことです。特に1年生の欠点保持者が大幅に増えたということです。高校は、やるべきことをやらないと進級、卒業ができないということを改めて認識してほしと思います。そしてこの冬休みには、生活習慣を改め、しっかり勉強をして3学期に取り戻してほしいと思います。

さて今日は「エシカル消費」ということについてお話したいと思います。

私たちは、日々、生きるため、また充実した生活を送るため、ものを買ったり、食べたり、使ったり、何らかの消費をしています。我々は、だれもが消費者です。そして消費は経済活動の基本です。皆さんが専門として学んでいる商業、ビジネスは消費者の消費行動が基盤となって成り立っているわけです。しかし消費行動というものは、多かれ少なかれ地球環境に負荷をかけています。誰かが物を作り、それを流通、販売し、そして誰かがその物を買い、使う、このサイクルを回すためには、大きなエネルギーが使われているわけで、地球に負荷をかけているのです。しかし地球環境に負荷をかけているからと言って、我々は消費行動をやめることはできません。私たちは生きている限り消費はやめられないのです。

ではどうしたらいいか?そこで今日考えてほしいことが「エシカル消費」です。「エシカル」とは英語で「倫理的な」という意味で、「倫理的消費」とも言われます。法律の縛りはないけれども多くの人が正しい、倫理的であると思う規範に基づいて消費することです。

もう少し具体的に言うと、皆さんが買い物でどれを買うか選ぶとき、価格、品質、安全性のほかに、その商品がどのようにして作られたかといった背景、例えばどこで作られたものか、誰が作ったものか、どのような流通経路で今、私の手元にあるのかなど考えることです。また、その商品を買うことで世の中にどんな影響があるか、「これを選んで消費することは環境や貧困、人権問題、地域社会などにとっていいことなのかな?」と立ち止まって考えること、想像してみることです。

もしかしたら、その背後には劣悪な環境で長時間働く生産者や、貧困のために学校に行けず、強制的に働かされている子どもたちがいるかもしれません。また、美しい自然や、そこに住む動植物が犠牲になっているかもしれません。そんなことを想像して商品を選ぶ、人間や社会、地球環境、地域社会に配慮した商品を購入すること、それが「エシカル消費」です。消費はするけれど、少しでも地球環境に負荷をかけず、社会を持続可能にしようとすることが「エシカル消費」です。 

例えば、洋服を買う時、化学肥料は使わず、有機肥料の土壌で育てられたオーガニックコットンの服を買うことです。少し値段は高いかもしれませんが、環境に優しく、また、そのコットンを育てた農民を守ることになるのです。

エシカル消費には、その他「フェアトレード」や「リサイクル商品」「障害者支援につながる商品」「被災地の産品」「動物実験をしていない化粧品」「地産地消」など幅広い消費の形があります。どれも環境や人間、地域社会や動植物などに配慮した想像力豊かな消費行動だと思います。もっと簡単な例を言えば、スーパーに行って、消費期限の短い商品をあえて買うなんていうのも、とってもエシカルですね。

 是非、皆さんのような若者が、豊かな想像力を発揮して、持続可能な社会に貢献できる倫理的な行動をしてほしいと思います。今日は消費についてのお話をしましたが、その他にも持続可能な社会のためにできることは沢山あると思います。昨日、お話のあった年金もそうです。年金制度はみんなで支え合う優しい制度です。持続させなければなりません。また、そのほかに例えば献血をする、地域の清掃活動に積極的に参加するなど、君たち高校生が、やれることは山ほどあると思います。想像力を働かせ、アンテナを高くし、世の中のためになることを積極的にチャレンジしてほしと思います。

今日は、クリスマスイブです。クリスマスは隣にいる人を愛する日です。隣にいる人、家族、友人、そして地球の裏側にいる人々にも思いを馳せ、想像力を働かせ、優しい気持ちで過ごしてほしいと思います。

それでは、1月8日に元気に登校してください。

 

0 3 0 8 3 3